Banksy が GUESS のアートワーク盗用を非難
万引き犯にロンドンの店舗を狙うよう促す声明を『Instagram』に投稿
ウクライナに出現した7つの壁画を認めて話題になった覆面アーティストBanksyが、今度は自身の過去の作品の1つを取りあげ、ライフスタイルブランドの〈GUESS(ゲス)〉が勝手にこのアートワークを利用していると非難している。
Banksyは、ロンドンのリージェントストリートにある〈GUESS〉の店舗に、彼の代表作の一つである“Love Is In The Air(別名Flower Thrower)”のポスターが掲げてあるディスプレイ画像を公式の『Instagram』に投稿している。この作品は、2022年1月にNFTとして1万個に分割して販売されていたもので、1,180万人のフォロワーを持つトBanksyは画像に埋め込まれたキャプションの中で以下のように要請した。
「すべてのshoplifters(万引き犯)に告ぐ。リージェントストリートのGUESSに行ってくれ。彼らは断りもなく私の作品を盗用しているのに、あなたが彼らの服に同じことをするのは間違ったことだろうか?」
〈GUESS〉は当初、展示されているカプセルコレクションを、Banksyファンに手頃な価格でグラフィティ・グッズを提供することを使命としライセンス商品を販売する『BRANDALISED(ブランダライズド)』とのコラボレーションとして宣伝していた。しかしこの投稿後〈GUESS〉は店舗を閉鎖。ディスプレイを覆い隠し、保護のために外に警備員が配置されているのが確認されている。
〈GUESS〉のチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるPaul Marciano(ポール・マーシアーノ)は以前このコレクションについて「Banksyのグラフィティは、ポップカルチャー全体に共鳴する驚異的な影響力を持っている。Brandalisedとの新しいカプセルコレクションは、ファッションが感謝の気持ちを表す方法です」と語っていたようだ。
著作権弁護士のLiz Ward(リズ・ワード)はこの件に関し「GUESSがBanksyのアートワークを商品化して使用する権利を持っているという第三者、すなわちBRANDALISEDを通じて合法的に入手したようだが、Banksyがこの取引を承認したかどうか、あるいは知っていたかどうかさえ不明です。もし知っていたとしたら、彼のコメントはある種のゲリラ的なマーケティングキャンペーンを行うためのものなのかもしれません。しかしもし知らなかったとしたら、彼は相当腹立たしく思っているはず。特に、このようなメジャーな企業やブランドは、彼の反体制的な考え方と一致しないのだから」と述べている。
本稿執筆時点では、Banksyの代理人はこれ以上のコメントを出しておらず、〈GUESS〉や『Brandalised』もコメントを控えている。