環境活動家がエドガー・ドガの彫刻ケースに赤と黒のペンキを塗りつける
2人はその場で逮捕された模様
昨年、欧州で相次いで起こった、近年の気候変動に代表される地球環境問題に対して警鐘を鳴らすため、環境活動家や団体による名画を標的とした抗議活動。これまでに起きた例を挙げると、Claude Monet(クロード・モネ)の“積みわら”にマッシュポテト、Johannes Vermeer(ヨハネス・フェルメール)の“真珠の耳飾りの少女”に頭を打ち付けるなどの事件の他、絵画作品ではなく、〈Rolex(ロレックス)〉の旗艦店にペンキ入りの消化器をぶちまけるケースも発生した。そんな中、またしても、アメリカ・ワシントンD.C.の『National Gallery』にて、Edgar Degas(エドガー・ドガ)の彫刻作品 “14歳の小さな踊り子”の保護ケースに、環境活動家が赤と黒のペンキを塗りつけるといった事件が勃発した。
4月27日(現地時間)、環境団体「Declare Emergency」の代表である男女2人が、黒いスーツで作品の前に出現。それぞれが、黒のペンキと赤のペンキを素手で保護ケースに叩きつけ、全面に塗っていく動画が『Thr Washington Post』の公式『Twitter』にアップされた。動画内で男は「指導者たちが真剣に行動を起こし、気候に何が起こっているのか、私たちに真実を教えてくれる必要がある」と述べ、Joe Biden(ジョー・バイデン)米大統領に懸念を示していた。
Protesters smeared paint on the case and pedestal of Edgar Degas’s “Little Dancer Aged Fourteen” sculpture in the National Gallery of Art in D.C. to bring attention to the climate crisis and demand that President Biden declare a climate emergency. https://t.co/FWiuFqJzId pic.twitter.com/8AQkeIWlQH
— The Washington Post (@washingtonpost) April 27, 2023
また、『ARTnews』のインタビューで「Declare Emergency」の広報担当者は、事件を起こした彼らが“社会におけるアートの価値と重要性”を理解していることを説明し、「私たちが気候変動に対して緊急性を持って取り組まなければ、アートだけでなく、私たちが愛するものすべてが危険にさらされることも知っています」と付け加えた。
今回事件を起こした「Declare Emergency」の2人は、その場で逮捕。現在、被害を受けた“14歳の小さな踊り子”は展示を中止しており、損傷があるかどうかを調査しているとのことだ。