Levi’s® から501® の誕生150周年を記念した復刻限定コレクションがローンチ
今季の新モデルの他、〈Levi’s® Vintage Clothing〉よりアーカイブを再現した限定ジーンズを展開
〈Levi’s®(リーバイス)〉から、同ブランドを象徴する501®の誕生150周年を記念したアニバーサリープロジェクトがローンチ。本プロジェクトでは、さまざまな年代の501®ジーンズの復刻限定モデルが1月23日(月)より順次リリースされる。
ワークパンツを補強する銅製リベットの特許を取得することから始まった501®は、この150年の間に作られた衣服の中で、最も象徴的で影響力のある作品となった。既存のルールを破り、誰もが叶えたいスタイルを体現するためのキャンバスである501®というジーンズは、時代や文化の境目を自由に行き来し、今や独自のポジションを確立したと言えるだろう。今回のアニバーサリープロジェクトの紹介の前に、〈Levi’s®〉と501®の歴史を簡単に振り返りたい。
501® Originals(501® オリジナルズ)の物語は、Jacob Davis(ヤコブ・デイヴィス)がキャンバス地のズボンに銅のリベットを付け、飛躍的に丈夫なワークウェアを発明したことから始まる。すぐに成功を収めたDavisは、衣料品のサプライヤーであるLevi Strauss(リーバイ・ストラウス)に銅製リベットを使ったウエストオーバーオールを持ち込む。2人はデニムとダックキャンバス地にリベットで補強したパンツを協業して生み出し、1873年5月20日に「衣料品のポケットの補強にリベットを使用する方法」で特許を取得。後に501®として知られるようになる世界で最初のジーンズを正式に発表した。
20世紀初頭に人気を博した「Levi Strauss」社だが、1918年には収益が頭打ちに。創業者の死後、会社を引き継いだ甥のStern(スターン)兄弟と新しい製造責任者のMilton Granbaum(ミルトン・グランバウム)は、顧客の声をもとに501®の耐久性を高めることに力を注いだ。例えば、男性のファッションの変化と消費者の要望を理解し、オーバーオールにベルトループを追加。そして1925年には、改良された501® Originalsによって同社の利益は急増している。1930年代、〈Levi’s®〉は西部のワークウェアの定番となり、既にカウボーイやロデオライダーの間で人気があった同ブランドは、西部劇のロマンスを広告で表現するようになっていく。
当時の人気を具体的に表す事例を挙げるなら、『VOGUE(ヴォーグ)』誌が新しいトレンドとして人気のあるDude Ranches(デュード ランチ)で休暇を過ごす女性たちへ〈Levi’s®〉501®を勧める記事を掲載したほど。Dude Ranchesとは、当時世界恐慌で経営に苦戦していたアメリカの牧場経営者が、東部の富裕層に夏の休暇を牧場で過ごすことを提案した観光のことを指す。1939年、俳優のJohn Wayne(ジョン・ウェイン)が映画『駅馬車』の中で裾を折り返した501® Originalsを着用したことをきっかけに、ここから〈Levi’s®〉とハリウッドとの長い関係性が続いていく。
1939年から1945年まで続いた第二次世界大戦中には多くの資源を軍需へ回すための物資統制が敷かれ、その余波はアパレル産業にも及んだ。もちろん、〈Levi’s®〉もこの流れを受けて、ジーンズ独自のディテールの簡素化が義務付けられることに。リベットやボタンなどの金属の使用は最低限のものを除いて極力排除され、安価なドーナツボタンを使用、ポケット生地のスレキも軍余剰のヘリンボーン地などへと変更され、ブランドのシグネチャーでもあるバックポケットのアーキュエットステッチさえも排除された。しかし、〈Levi’s®〉はブランドのアイデンティティを守るため、苦肉の策としてバックポケットのアーキュエットステッチをペイントし、「For the duration(期間中のみ)」と書かれたポケットフラッシャーを追加。また重要なのは、戦争中も501®のデニム地は軽量化をしなかったという点。さらに、この時期以降はシンチバックとクロッチリベットを廃止したものの、それでも終戦後にはコインポケットのリベットを元に戻している。この時代のユニークな501®は、のちに日本のヴィンテージマニアたち垂涎のアイテムとなり、今もその人気は衰えることを知らない。
第二次世界大戦後、501®ジーンズは本当の意味で本領を発揮するようになっていく。レッグを少しテーパードさせ、シンチバックとサスペンダー用のシャンクボタンを取り除いたこのパンツは、もはや単なる作業着ではなく、カジュアルウェアとして見られるようになっていった。帰国した米軍兵士やモーターサイクルクラブ、アーティスト、ミュージシャン、そして最も重要なのは、当時のティーンエイジャーたちが皆こぞって、丈夫で実用的な501® Originalsを受け入れたことだ。さらに、1953年の映画『乱暴者』に出演したMarlon Brando(マーロン・ブランド)の着用によって、501®はカウンターカルチャーのクールさを映し出す存在となった。
1960年代には、501®は世界中のサブカルチャーの定番に。アメリカの伝説の野外ライブ「ウッドストック」や公民権運動、ベトナム抗議運動、そして英国のモッズやロッカーズのファンは皆、501®を穿いていた。それだけにとどまらず、501®は数々の歴史的な映画に登場し、Bob Dylan(ボブ・ディラン)のアルバムのジャケットにも登場。その頃には501®は若者やカウンターカルチャーの代名詞となり、学校ではしばしばブルージーンズは不良の象徴として禁止されるようになった。しかしこの規制がティーンエイジャーをより501®に夢中にさせることにつながっていく。
1970年代から80年代にかけて、ハイファッションやストリートファッションを問わず、501®は世界的に普及することになる。特に旧ソビエト連邦のブラックマーケットでは、文字通りの通貨となった。当時の日本では、空前の古着ブームによってヴィンテージの501® Originalsは聖杯のような存在に。音楽の世界に目を向けると、Kate Bush(ケイト・ブッシュ)やKim Gordon(キム・ゴードン)のようなアーティストはズタズタに破れた501®を、Run-D.M.C.(ラン・ディーエムシー)やN.W.A(エヌ・ダブリュ・エー)のようなヒップホップ・スターはパリッとしたダークな色のデニムを好んで着用。また、Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)のようなIT業界の革命児も、オークランドのバイカーも、ロサンゼルスのメキシカンも、パリの浮浪者も、みな501®を愛用していた。1999年に『TIME(タイム)』誌で「20世紀最高のファッションアイテム」に選ばれた501®ジーンズは、21世紀に入ってもグローバル・アイコンとして君臨し続けている。
記念すべきアニバーサリーイヤーに登場する新作は、まずメンズの501® ‘54(18,700円)とウィメンズの501® ‘81(15,400円、共に税込)。501® ‘54は、〈Levi’s®〉のアーカイブルームから直接取り出したジーンズにインスピレーションを受けて制作。501®独特のアンチフィット(フィットしない)はよりスリムなストレートレッグに、そして 54’のヘリテージを反映したボタンフライ仕様などのディテールが特徴となる。501® ‘81は、1981年に初めて女性用にデザインされた最初の501®に着想を得た1本。501®シリーズの中で最もハイライズで、最もテーパードしたレッグによって美しいシルエットを描く。
〈Levi’s® Vintage Clothing(リーバイス ビンテージ クロージング)〉より展開される限定モデル(*上のフォトギャラリー参照)は、1937 “Japan” 501® Jeans(2月中旬発売予定)を筆頭に、1922 “White Oak” 501® Jeans(2月下旬発売予定)、1901 “White Oak” 501® Jeans(3月下旬発売予定)、1890 “White Oak” 501® Jeans(4月下旬発売予定)、1873 “XX Waist Overalls”(Levi’s® first blue jeans、5月中旬発売予定)がラインアップ。それぞれの発売日や価格などの詳細については、今後ブランドの公式サイトやSNSなどで発表していく予定だ。なお、『CLUB Levi’s®』メンバーには、限定コレクションの発売日やイベントの詳細が優先的に通知されるため、各アイテムを確実にゲットしたい方はこちらからご登録を。