“ウォッチリウム”なカレラに魅せられて
「Watches and Wonders 2023」現地レポート -〈TAG Heuer〉編
〈TAG Heuer(タグ・ホイヤー)〉は何を買えばいい? と、機械式時計ヘッズに聞くと、口を揃えたように「Carrera(カレラ)でしょ?」と返ってくる。Mick Jagger(ミック・ジャガー)やJames Hunt(ジェームス・ハント)など、クールなアイコンの腕を装ってきたこのモデルは、文化的でありつつも、誇張した要素がなく、ピュアなクロノグラフであるからだ。
さて。そんなCarreraだが、Heuer家4代目のJack Heuer(ジャック・ホイヤー)が同モデルを1963年に生み出してから、今年で60周年を迎えた。「Watches & Wonders 2023(ウォッチズ アンド ワンダーズ 2023)」の〈TAG Heuer〉のブースでは、たくさんのCarrera シリーズが発表されていた。そこで、『Hypebeast』編集部の“推しCarrera”を探したところ、ひときわピュアな2本を見つけた。
まるで水面張力のようにダイヤルが浮かんでいる。ケースに使用されているサファイアガラスが、ドーム型のグラスボックスというデザインになっているのだ。この浮かんだサファイアガラスは、タキメータースケールの曲線に沿って、ダイヤルのエッジまでシームレスに整形されている。じつに美しい。ただ、その美しさは美しさだけに留まらず、広い角度で読み取れるという機能美でもあるのだ。
「Watches and Wonders 2023」の会場で我々がピックアップしたこのCarreraは2タイプあった。ひとつはシグニチャーブルーのダイヤルにカーフストラップ。もうひとつはブラックとシルバーの“逆パンダ”ダイヤル。どちらも39mm。逆パンダモデルのストラップはパンチング加工のブラックカーフレザーで、Carreraが持つレーシーな印象をさらに強めている。
このモデルのプレスリリースには、「Carreraらしく、タイムレスながらモダン。精密ながら繊細。エレガントながらテクニカル。人間工学に基づいていながら斬新。機能的ながら美しいアイコンモデル」とあった。まさにその通りだと思った。
最近は、観賞魚を眺める“アクアリウム”だけでなく、クワガタを鑑賞する“クワリウム”や、苔を眺める“コケリウム”などの言葉が生まれているようだ。だとすると、このCarreraはそのグラスボックスの形状から、眺めて愛でる“ウォッチリウム”のようである。この美しき1本は、Jack Heuerが愛したというEames(イームズ)のラウンジチェアに座りながら眺めるのが良いのかもしれない。もちろん、「Porsche(ポルシェ)」911 Carreraに乗りながらでも良いのだけれど。
“シグニチャーブルーモデル”
タグ·ホイヤー カレラ クロノグラフ CBS2212.FC6535
ムーブメント:キャリバーTH20-00 自動巻き
機能:時・分・秒、日付表示、クロノグラフ
ケース:直径39mmのポリッシュ加工ステンレススティール製ケース、両面反射防止処理を施したドーム型サファイアガラス
防水性:100m
ブレスレット:ブルーのカーフレザーストラップ、フォールディングバックル
販売価格:80万8,500円(税込)
発売時期:2023年4月
“逆パンダモデル”
タグ·ホイヤー カレラ クロノグラフ CBS2210.FC6534
ムーブメント:キャリバーTH20-00 自動巻き
機能:時・分・秒、日付表示、クロノグラフ
ケース:直径39mmのポリッシュ加工ステンレススティール製ケース、両面反射防止処理を施したドーム型サファイアガラス
防水性:100m
ブレスレット:パンチング加工のブラックカーフストラップ
販売価格:80万8,500円(税込)
発売時期:2023年4月