37mm の小ぶりで50万円を切るプライス。誰しもにおすすめしたい TUDOR の新作
「Watches and Wonders 2023」現地レポート -〈TUDOR〉編
37mm の小ぶりで50万円を切るプライス。誰しもにおすすめしたい TUDOR の新作
「Watches and Wonders 2023」現地レポート -〈TUDOR〉編
唐突だが、「Disney+(ディズニープラス)」で公開されている『マンダロリアン』シリーズが面白くて仕方ない。名作サーガ『スター・ウォーズ』の真の魂が、この作品には引き継がれている。
さて。今回の「Watches & Wonders 2023(ウォッチズ アンド ワンダーズ 2023)」で〈TUDOR(チューダー)〉が大々的に発表したモデル BLACK BAY 54(ブラック ベイ54)にも、かれらのオリジナルの真の魂が十二分に入っていると思ったのだ。そのオリジナルとは、1954年に発表した〈TUDOR〉のダイバーズウォッチの原点、Ref.7922である。前年の1953年に〈Rolex(ロレックス)〉がSubmariner(サブマリーナ)Ref.6204を発表しているが、そちらと同じく、このRef.7922も機械式時計ヘッズにとっては伝説のモデルである。
この新作 BLACK BAY 54は、その伝説モデルに大いにインスピレーションを得ている。ケースサイズは、54年と同じ37mm。日本人にはとくに嬉しい、往年のクラシックサイズだ。タイポグラフィーも、当時と同じくゴールドで描かれ、その雰囲気は十分。インデックスや針の発光塗料は、グレードAのスイス製スーパールミノバ®で、この色合いもどこかヴィンテージに近しいオーラがある。そしてなにより、静かに艶っぽく光る黒ダイヤルが、数十年かかって熟成したようなヴィンテージ感を醸し出している。このダイヤルは、サテンブラッシュドという仕上げで、放射状に光を抑え、分散するという技法を使っているそうだ。針に関しては、当時のメルセデス針(通称ベンツ針)ではなく、雪のカケラのようなスノーフレイク針(通称イカ針)が使われているものの、これはこれで〈TUDOR〉らしくて粋である。
このように、この新作には、ヴィンテージが持ち合わせているオーラがそこはかとなく漂っているのだ。冒頭の『マンダロリアン』じゃないけれど、これは本当にオリジナルの作品を愛してやまない人が再現しているぞ、と、手に取った瞬間伝わってきた。
魅力的なのは、値段&ムーブメントにもある。ラバーストラップのモデルは46万3,100円。ステンレススチール製ブレスレットのモデルは49万600円(全て税込)。ともに50万円を切るプライス。そしてムーブメントは、約70時間のパワーリザーブがついた、マニュファクチュール キャリバー MT5400。5年間の国際保証もつく。堅牢性、耐久性、信頼性が抜群のこのネオ・ヴィンテージ。ファースト・機械式時計としてもおすすめである。